中核市となり業務量・権限の増大に伴い、組織全体の統制を十分に保つということが今まで以上に難しくなる可能性があります。また、現在の柏市の内部統制が時代の要求にマッチしているかということを検討することは重要なことであると私は考えております。
皆様ご承知の通り、内部統制とは一般に企業などの組織内部において、違法行為や不正あるいはミスやエラーなどが起こることなく、組織が健全で効率的に運営されるような仕組みを作り、それを実行していくことを指し、このような取り組みは先進国社会で急速に広まってきております。この動向の発端は、米国でのエンロン,ワールドコム等の不正会計による企業破綻を受けて2002年に制定されたサーベンス・オクスリー法、いわゆるSOX法が根拠であり、日本国内においても数多くの企業の不祥事・事件を背景に、昨年、2006年6月に参議院で成立されたJ-SOX法すなわち金融商品取引法などが法的根拠となっています。
さて、ひと昔前までは内部統制ということを単に企業の財務・会計面からの視点でのみとらえる考え方が主流で、端的に言えば財務報告を適正にするためのシステムという意味を指していましたが、昨今では、先ほど申し上げた通り、会計面以外に業務ルールや法令の順守といったコンプライアンス面の徹底、業務の有効性や効率性の向上活動、あるいはリスクマネジメントなど、より広い範囲が対象となり、「組織全般の統治」という側面が強くなってきています。
この流れの契機となったものは、米国トレッドウェイ委員会が1994年までに公表した報告書、いわゆるCOSOレポートで、ここで内部統制が定義され、その必要性が提唱されています。COSOレポートでは、内部統制を「業務の有効性と効率性、関連法規の遵守、財務諸表の信頼性確保を達成するために、合理的な保障を提供することを意図した1つのプロセス」と定義し、「統制環境」、「リスクの評価」、「統制活動」、「情報と伝達」、「監視活動」の5つを評価の基準と位置付けています。
この考え方に従うことは非常に合理的であり、かいつまんで言えば、「ルールや業務ミッションを明確にして、情報を含めて全体を統制・監視できれば、業務は効率化し、リスクも低減する、その結果、最終的な成果がより有効なものになる」ということを意味すると思います。
以上の理由から、民間では内部統制システムの充実化が急速に浸透しつつありますが、行政においてもこれと同様の視点で組織を作っていくという取り組みは、一層の業務の効率化やリスク対策という意味を含め、非常に重要であると私は考えております。さらに、例えば、行政サイドにおける年金着服問題やリスクマネジメントの欠如に起因する問題など、明らかに内部統制が不十分であることに起因するような問題が多くの自治体で露見し後を絶たないという事実があることも考慮すべき点です。
そこでお尋ねしますが、
1点目として、内部統制に関して、柏市の現況をお示し願います。
2点目として、中核市移行に伴い、外部監査の導入も内部統制の一端を担うことになりますが、今後、前述したような企業の内部統制の精神を基に充実化を図ることに関しての見解と、方針をお示し願います。
次に、中核市移行によるメリットという点についてですが、これまでの答弁等で示されたような各種サービスにおけるスピードアップや管理監督面の緻密化ということ以外に、従前と比較して、新たに上乗せあるいは横出しされるような施策は何か、柏市の独自性という点を踏まえて具体的にお示し願います。
また、教育長にお尋ねしますが、中核市移行後は、教職員に対して柏市の特色や市独自の課題に対応した研修を行うことにより、教員の資質向上が図れるとのメリットが示されていましたが、来年度の研修体制は具体的にどのようなものを考えているのか方針をお示し下さい。


